カラマツ材は強度があり木目の美しい材です。
一方で曲がりやすくヤニが出やすいなど、扱いが難しい木材として認識されており、これまでは主に合板材(ベニヤ板等)や集成材、杭などに使われてきました。
南相木村では、村の森林の6割を占めるカラマツの可能性を高め、村のカラマツ材が持続的に活用されるために、様々な価値づくりに挑戦しています。
2017年7月21日。
カラマツ材の可能性に挑戦するための第一歩として「村一番のカラマツを探そう」をテーマに、村内外の森林関係者一同が集い、カラマツの森を巡りました。
樹齢100年近いカラマツの森を歩きながら、約一世紀にも及ぶ歳月や百年前に子孫を思いながら植林した先人たちの想いに心を馳せながら、これからのカラマツの活用のシンボルとして使用する木を選びました。
2017年11月15日。
7月に選んだシンボルカラマツの伐採が行われました。
美しく整った木目の材や個性的な材、節の状況等々、材の状態は切り出されて始めてわかることもたくさんあり、同じカラマツ材でも、建材用、工芸用など、用途に応じて様々に評価されます。
伐採されたカラマツは製材所へと運ばれ、製材~乾燥を経て、用途に応じた様々な形に加工されていきます。
カラマツ材の可能性に挑戦する一連の取組の象徴として制作された「カラマツシンボルデスク」です。
カラマツの用途はベニヤ等の合板や杭だけではありません。これまで固定観念から用途が限られていたからこそ、未来の新しい可能性を秘めた伸びしろの多い木材だとも言えます。
南相木村では地域資源「カラマツ」の可能性を信じて、共に挑戦する仲間を募りながら挑戦を続けています。
作者:工芸家 前田大作(まえだ だいさく)氏
「atelier m4」代表取締役。「一般社団法人ソマミチ」理事。
プロフィール:空間デザイナーとして勤務後、前田純一に師事。2007年に設立したatelier m4では新しい木工品制作のあり方を提案。信州カラマツ利用にも取組み、長野県内製造業として初めて経産省の地域資源活用プログラムに認定(2007年度~2011年度)される。前田木藝工房四代目。松本市都市計画策定委員(2007年~2013年)。